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満次郎の会

こんにちは、立山です。

 

昨日は満次郎の会でした!

ご覧になられた方はいらっしゃいますでしょうか?

 

私もずっと楽しみにしておりまして、

昼の部、夜の部共に観させていただきました(≧▽≦)!

 

狂言あり、仕舞あり、朗読あり、能ありの

本当に盛だくさんの充実した舞台でした。

 

能楽と聞くと世間的に多くの方が

難しさや敷居の高さを思われる事が多いと思います。

ですが!!

今回改めて能楽の面白さを再認識できました!

知れば知るほど楽しく、面白く、惹き込まれる芸能です!

 

お一人お一人が熟練したプロの方々で

研鑽された技能の上で成り立っていると思います。

昼の部は狂言、能共に目の見えない役が出てくるのですが

狂言はほとんど目を開けてない様に見えましたし、

能に至っては能面の目の穴が細すぎて完全に見えてないはず!!

能面ってホントただでさえ見えないのです!

それがほとんど視界ゼロで舞台を動き回って演じるのですからびっくりです。

ほんのわずかな視界に入る目印や、ご自身の歩数が把握されていて

なおかつ、舞台が頭の中に完全に入っているという事ですよね。

 

能面は木でできたお面を顔に付けているだけなのに、

舞台上で観ると、本物の顔に見えてドキッとします。

それだけでなく、泣いたり笑ったり本物の表情にまで見えてきます。

 

今回は榎木があらすじを朗読という形でコラボレーションさせていただきました。

 

 

昼の部は朗読のみでしたが、夜の部はなんと、琵琶の伴奏付き!

時に優美に、時に物悲しく、時に激しい琵琶の音色と

榎木の絶妙な朗読の間がまるでセッションの様でした。

 

能の難しさは謡の理解のしにくさもあると思います。

狂言は台詞回しではっきりと発音したり、

現代語に近い言葉もあるので分かりやすいのですが、

能は台詞はなく、「候」など昔ながらの言葉を

独特の節にのせて謡う、謡で物語を表現します。

さらに、引き算の美しさ故の誇張がなく、型で感情や情景を表現する事も多いため、

型や謡が分からないと何をしているかが分かりにくいという事が起こります。

 

それが、朗読であらすじの説明の役割もあり、

お陰様で分かりやすく、楽しめたとのお声を多くいただけました。

 

夜の部ではシェイクスピアの『マクベス』の演目でした。

新作能と言っても特別変わった事があるわけではありません。

能の持つ、幽玄さや世界観、夢幻能と称される死生観など

らしさが随所にちりばめられた素晴らしい演目でした。

 

朗読の効果もあるのですが、横文字もよく出てきた事もあり、

私は古典よりも分かりやすく親しみやすい印象を受けました。

演じ手さんもとても素晴らしかったです。

 

古き良き物を残しながら新しい物を取り入れる。

能という形は変わらなくとも、現代を内包する。

伝統と名の付く物の課題とされる「変化」の可能性を観させていただきました。

 

ぜひ皆様、我が国の誇る幽玄美、実際にご覧になってください。

きっと惹き込まれる事間違いないですよ!

 

今後も様々な形でコラボレーションして、

伝統文化の可能性を広めていきたいと思った一日でした!

 

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